高校生の夏休み。
勉強も部活も忙しいけど、海外に興味があるのなら、夏休みはホームステイに行ける数少ないチャンス。
でも、1人で海外に行くのは不安…、英語が話せなくても大丈夫?、
お金はいくらかかるの?現地でどんな生活をするの?などなど、不安はたくさんありますよね。
私も高校2年生の夏休みに、オーストラリアへ3週間のホームステイに行きましたが、初めての海外で、戸惑うことばかりでした。
そこで今回は、私が高校2年生で初めてホームステイに行ったときの体験談をご紹介します。
高校生でホームステイを考えている方は、参考にしてください。
ホームステイに高校生で行ったときの費用は?プランは?
ホームステイに申し込んだきっかけ
私が高校2年生で海外へホームステイに行こうと思ったきっかけは、両親のすすめ。
父が以前から、海外出張が多いわりに英語が話せないことがストレスで、子どもには、生の英語を学ばせたいと思ったそう。
私自身は特に海外への興味はなく、むしろ当時は部活が楽しくて、両親に「ホームステイに行ってみない?」と聞かれたときも、最初に思ったのは「部活の試合があるのになぁ」。
海外にも行ったことがなかったので、「ホームステイ」と言ってもどこか現実感がなく、次の部活の試合のほうがよっぼど現実的でした。
でも「行くのが怖い」なんて高校2年にもなって親に言いたくないし、「ちょっと面白そうかも」という思いもあって、数日、親への返事を粘っていると、、
親が見つけた旅行会社のプランを見せて「これどう?」と言われ、「いいよ、行ってみる」と親に背中を押される形で、初めてのホームステイが決まりました。
費用、場所、気候は?
私が申し込んだのは、旅行会社が出している夏休みの高校生向けのプラン。
期間は3週間で、費用は約40万円。
飛行機&バスなどの移動費、ホームステイ代、現地での遠足代(入場料など)が含まれます。
おまけで、日本へ帰国前に1日シドニー観光も付いていました。
自分で払ったのは、お土産や売店での買い物などのみ。
現地での大きな出費はありませんでした。
場所は、オーストラリアのメルボルンから、車で5時間ほど走った田舎町。
到着翌日の新聞の一面が、大きな写真付きで「日本人の留学生が来た!」だったくらいの小さな町。
現地の中学校(13~16歳が通うセカンダリスクール)に通いながら、その学校の生徒の自宅にホームステイさせてもらいました。
日本は夏休みなのに、8月のオーストラリアは真冬で、冬服を持っていくのも、遠い外国に行くんだなぁと感じられました。
日本人高校生の団体留学
参加したのは個人プランではなく、団体のホームステイプラン。
日本から一緒に出発する高校生10人(女7人、男3人でした)に、引率の日本人の先生が1人のグループ。
日本人の高校生とも引率の先生とももちろん面識はなく、出発日の空港で初めて顔を合わせました。
「どんな子がくるんだろう」と不安に思ってましたが、飛行機の席が隣になって「高校はどこ?」「海外行ったことがある?」と話したり、
乗り継ぎ空港の税関を通る前に「お菓子は全部捨てて」と旅行会社の添乗員に言われて(オーストラリアの税関は、特に食べ物の持ち込みに厳しい)、「もったいなすぎる~!!」と慌てたりするうちに、気の合う子数人と仲良くなりました。
初めての海外には、この同じ境遇の日本人がいたことがとても心強かった。
中には、高校で国際科コース専攻、という子もいたけれど、ほとんどがホームステイは初めて。
ただ、海外へ行くこと自体が初めてだったのは、私くらいでした。
英語で機内食をオーダーしないといけない国際線の飛行機にも、経験がある様子に、最初はみんなすごいなと思ったけど、現地についてみると英語力は似たり寄ったりでした(笑)
ちなみに引率の先生は、困ったことがあった場合の相談先。
私は相談はしなかったけど「ホストファミリーが嫌だ」「低学年の子がたたいてくるのが嫌だ」といったことを訴えている子もいました。
高校生の夏休みにホームステイ 現地での生活は?
現地では、ホームステイ先の生徒(ホストスチューデント)と同じ中学校に毎日通いました。
私がお世話になったホストファミリーは、4人家族。
・ホストファザー
マリオ実写版みたいな大きめでヒゲ面のパパ。
いつもテンション高く「Good morning!」とニコニコ話しかけてくれて、日本のことも興味を持って聞いてくれて、家族の中で一番話しやすい人でした。平日も裏庭でまきを割っていたり、昼間も家でよく見かける生活をしていたので、
自営業だったのか?私の英語力不足で、仕事は不明のまま。。
・ホストマザー
ちょっと神経質であまり笑わないけど、親切なママ。
家を取り仕切っていたのはママで、私の学校や家での生活について(明日は遠足で何時に出るだの、今日はカジュアルデーだから服装は自由だの)ママが教えてくれました。性格的に細かいところがあったので、私も英語を準備して(単語を調べて)から、話しかけるようにしてました。家から10分くらいの靴屋さんで働いてて、学校帰りにみんなで寄り道してました。
・デイビッド(18歳のお兄ちゃん)
別の街に下宿中とのことで、滞在中一度しか会わず、あまり話しませんでした。家族の話から推測するに、アメフトの選手(プロになるために修行中?)。家にアメフトしている姿の写真がたくさんあり、最初に写真を見たときに言葉が思いつかず、「ハンサム」と言ったら、その後ずっと「お兄ちゃんが好きなんでしょ」とネタにされました。
・キラリー(15歳の女の子)
私が滞在中、同じ学校に通わせてもらった同級生の女の子キラリー。英語で言う「bossy」(親分風を吹かす)な性格で、現地の同級生からも好き嫌いがはっきり分かれる感じ。あまり自己主張できなかった私を終始物足りないと思ってた様子。
1日の流れはこんな感じ。
朝7時
起きてリビングへ。ホストファザー&マザーは朝食を食べていたり、仕事でいなかったり。
朝ごはんは、キラリー(いればホストマザー)が、トーストを焼いて、牛乳を用意してくれる。
一緒にランチも用意してくれる。(ハムとチーズのサンドイッチ、りんご、ヨーグルトをジップロックにいれるだけ)
朝8時
キラリーと一緒に登校。学校は徒歩10分くらい。
私は持っていくよう言われていたので日本の制服で、キラリーは現地の制服(トレーナーとズボン)。
会話は、天気がいいとか寒いとかくらい。
キラリーも話しかけてこなかったので、あまり通学中の会話はなくて、いつもちょっと気まずかった。
だいたい途中でキラリーの友達に会い、キラリーはそこから友達とハイテンション。
朝9時~昼2時
学校の時間割り表はもらえたけど、学校での過ごし方は、各自で自由。
現地の生徒と同じ授業を一緒に受けてもいいし、日本語授業をしているクラスに参加してもいいし、日本人用の教室を作ってくれていたので、そこで休憩していてもいい。
私は英語が理解できなくても参加できそうな「保健体育」とか「料理」のクラスに参加したり、日本語授業にもよく出てました。
「保健体育」では、「瞑想」がテーマの日で、全員で座禅して瞑想。
「料理」では、オムレツ?みたいなのを作ったけど、指示があまり聞き取れないので、現地の生徒が作業しているのを見ているだけな感じ。
一度だけ出席した「数学」のクラスでは、同じプリントが配られて、関数の問題を解いたけど、まだ習っていなくて半分くらいしかできなかった。
日本の勉強って、なんとなく外国より進んでるイメージだったのに。
数学の先生が、生徒に向かって「日本の学生は半分しかできないそうです」と言っていたのが恥ずかしかった。
日本人用の教室でずっと休憩して話している日本人も何人かいて、「授業に出るなんてまじめー」って言われたこともあったけど、私はできるだけ授業には出たし、せっかく海外にいるなら経験はしたもの勝ち。
特に日本語授業で、海外で働く日本人教師の姿が見られたのがよかったです。
週に1回は、ホストスチューデントと一緒に、バスで3-4時間の大きな公園や動物園にエクスカーション(遠足)がありました。
昼3時下校
登下校はホストスチューデントと一緒なので、キラリーと下校。
家で着替えて、その後は毎日のキラリーの予定についていくだけ。
友達とダウンタウンのハンバーガーショップでポテト&コーラ片手にだべったり、ホストマザーが働いている靴屋さんへ遊びに行ったり。
他の日本人高校生は、カンガルーやエミューのいる近くの公園へ行ったり、ホストマザーも一緒にスーパーへ買い物に行ったりしていたみたい。
夕方6時
帰宅。ホストマザーもファザーもこのくらいには帰ってきて、ホストマザーがごはんを作る間、私は自由時間。
自分の部屋で休んだり、リビングでテレビを見たり。
たまにホストファザーが「今日は何をしたの?」と話しかけてくれると会話ができました。
夜7時
みんなで夕ごはん。ラザニア、パスタなど、ザ・洋食料理が多かった。
美味しかったけど、たぶん冷凍食品がメインだったんじゃないかな。
その後、みんなはテレビを見たり、キラリーのマシンガントークを聞いたり。
私は夜8時くらいにシャワーを浴びて、そのまま部屋に帰って、日記を書いたりして寝てました。
高校生のホームステイに英語力は必要?私が学んだこと、失敗したこと
学んだこと1.英語が伝わらない!という事実
高校生でホームステイに行く場合、英語力がなくても大丈夫?と心配になりますが、大丈夫!
仮に、どれだけ学校の英語の成績が良くても、実際の発音がよくないと全然通じません。
高校生で、海外の経験がほとんどなかったら、話せなくて当たり前。
それを身をもって学びに行くのが高校生のホームステイです。
私が一緒に行った日本人の高校生も、みんな最初はおそるおそるでした。
逆に「もっと勉強してから」「もっと発音が良くなってから」なんて思っていたら、大人になっても出発できません。
私の最初の関門は、オーストラリア到着後、初めて立ち寄ったマクドナルド。
何度「オーレンジジュース」と言っても「ハア??」。
思い切って「オーーー!レンジ」と言ったらやっと伝わった。
こんな簡単な単語さえ、最初は伝わらないんです。
ホームステイ先でも、
ホスト「ベッドはどうだった?」
私「コンフォーテイブル!」
ホスト「??」
本来の「comfortable(快適)」の発音は「カンファタブル」。
「コンフォーテイブル」じゃ伝わらないよね。。
日本の学校では、発音よりスペルが大事(テストでよく出るから)だから、単語を書けても話せないんだな。
高校生の私は、頭では分かってる単語も、話すと伝わらない状況。
別れの朝、ホストファミリーに手紙を書いて渡したら、「これあなたが書いたの?」と驚かれました。
普段の会話からでは、こんなに英語が書けるとは思えなかったんでしょうね。
「これからもっと話せるようにさえなれば、もっと楽しめるはず」と思えました。
学んだこと2.外国人でも仲良くなれる
私の場合、3週間のホームステイで、ホストファミリーのキラリーとはあまり仲良くなれませんでしたが、日本語授業でよく発言していた生徒とはとても仲良くなれました。
みんなでバスに乗るときには隣に座ってくれたり、授業に行くと「イェーイ」と言ってくれたり、ランチを食べていると話しかけてくれたり。
外国人だから仲良くなれないんじゃない、
英語が話せないから仲良くなれないんじゃない。
「私でも仲良くなれる」と、外国人との距離感を近く感じることができました。
高校生のうちにホームステイにいったおかげで、英語を話したり、海外に出かけることに対するハードルを、無意識に高く感じなくなってよかった。
失敗したこと
今から思えば、の話ですが、もっと話せばよかった。
当時は緊張もあるし、ストレスもあるし、話すと余計気を遣って疲れるし、という気持ちで、いっぱいいっぱいだったんだけど。
たぶん、ホストファミリーも私を最後までおとなしい性格だと思って、あまり積極的には話しかけなかった。
せっかく誰も私のことを知らない外国に行ったのだから、どう思われてもかまわないんだし、もっとたくさん話せばよかった。
言いたいことはいっぱいあったのだから、話す英語が分からないなら、調べてでも、調べなくてもジェスチャーででも話せばよかった。
恥かいた分だけ、学ぶことがあるのがホームステイ。
少なくとも「あのとき、もっと気を遣えばよかった」ということはひとつもない。
今から行く高校生は、恥をかきにいくつもりで行くといいです。
さいごに
高校生の夏休み。
日本にいてもやることはたくさんあるし、最初は私も行くのを迷ったけど、この経験のおかげで私のその後の人生は大きく変わりました。
高校生だからこそ、行って「海外っておもしろい!」と興味をもつのもいいし、逆に「自分には海外はだめだ」と悟るのもいい。
行って損することなんて、長い目で見たら一つもありません。
目の前にチャンスがあるなら、ぜひ挑戦してみてください!